関西湾岸電鉄
関西湾岸電鉄とは?
1980年、神戸で創業した鉄道会社である。1986年、本線の明石・姫路開通を皮切りに、大阪・兵庫の2府県に路線を建設するようになる。
新規開業路線が殆どであるが、西神線の一部はかつて明石と兵庫県西脇市を結んでいた東播磨鉄道(架空)の廃線跡や設備を流用している。
一角をなしている。
湾電本線では高速運行に力を入れており、特急・β特急は135km/hで運行する。(遅延時は140km/h走行可)
路線
2023年現在、以下の路線を保有・運行している。
路線名 | 区間 |
---|---|
湾電本線 | 姫路~大阪梅田 |
西神線 | 明石~西神中央 |
神戸空港線 | 神戸空港~六甲アイランド東 |
湾岸線 | 尼崎~天王寺 |
北摂線 | 武庫川~大日 |
垂水多聞線 | 垂水~学園都市 |
明舞線 | 大蔵海岸~学園都市* |
* 本多聞~学園都市は明舞多聞線と共用
なお、五松重工大阪支所の職員専用列車(ユニバーサルシティ~夢洲)の運行も担当している。
路線図
西神線・神戸空港線のみ先行公開。
■湾電本線
概要
米原から姫路までのうち、大阪梅田~姫路は湾電本線である。繁華街である大阪市から神戸市を経て播磨地方最大の都市である姫路市を結ぶ路線である。
当初から高速走行に対応する為、高規格で設計されている。2011年からはさらなる高速化工事が行われ、2014年度中に完了した。
線路諸元
湾電本線(姫路~大阪梅田) 線路諸元 | ||
---|---|---|
駅数 | 34駅(起終点駅含む) | |
軌間 | 1067mm(狭軌) | |
電化方式 | 直流1500V 架空電車線方式 | |
線路数 | 複々線 | 大阪梅田~加古川 |
複線 | 加古川~姫路 | |
保安装置 | KG-ATC | |
運転指令所 | KGR総合指令センター | |
最高速度 | 緩行線 姫路~加古川 |
130km/h |
快速線 | 140km/h |
運行形態
日中1時間あたりの運行形態(2020年3月現在)
※快速は加古川~姫路は各駅に停車。
種別\駅名 | … | 大阪梅田 | … | 尼崎 | … | 明石 | … | 加古川 | … | 姫路 |
特急 | ←京都・米原 | 0~1本(2時間間隔) | ||||||||
←ユニバーサルシティ・天王寺 | 0~1本(2時間間隔) | |||||||||
β特急 | ←京都・米原 | 3本(20分間隔) | ||||||||
←ユニバーサルシティ・天王寺 | 2本(30分間隔) | 西神中央→ | ||||||||
←京都・米原 | 1本(1時間間隔) | 西神中央→ | ||||||||
快速 | ←京都・米原 | 4本(15分間隔)※ | ||||||||
普通 | ←京都・米原 | 4本(15分間隔) |
高速化工事
2011年5月から2015年1月まで湾電本線を含む、京都~姫路で主に深夜帯に工事が行われた。
工事を行うにあたって、KGRの社員を北越急行に出向させ、高規格路線の保守・点検のノウハウを学んだ。
軌道は新幹線で用いられている60kgレールが快速線の大半の区間で用いられている。従来のレールに比べ重量があるため、高速走行の安定化に貢献している。
緩行線・快速線両方にスラブ軌道が採用されている。住宅部が多い箇所では弾性枕木直結軌道・消音バラストが採用され、騒音の軽減を図っている。
湾電本線停車駅案内
+ボタンを押すと、詳細をみることができます。
...
凡例
●:停車、▲:一部の列車が停車、|:通過
※はホームライナーの略
※通快は通勤快速の略
※通勤快速は湾電本線の明石~湾電尼崎を走行
駅番号 | 駅名 | 駅構造 | HL | 特急 | β特急 | 快速 | 通快 | 普通 | 接続路線 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
M01 | 姫路駅 | 頭端式6面5線 | ● | ● | ● | ● | ● | JR各線 山陽電鉄本線 |
兵庫県 | 姫路市 | |
M02 | 飾磨駅 | 相対式2面2線 | ● | | | | | ● | ● | ||||
M03 | 播磨東山駅 | 島式1面2線 | | | | | | | ● | ● | ||||
M04 | 曽根駅 | 相対式2面2線 | | | | | | | ● | ● | 高砂市 | |||
M05 | 高砂駅 | 島式2面4線 | | | | | | | ● | ● | ||||
M06 | 加古川駅 | 島式3面6線 | ● | | | ● | ● | ● | JR神戸線 JR加古川線 |
加古川市 | ||
M07 | 平岡駅 | 相対式2面2線 | | | | | | | | | ● | ||||
M08 | 二見駅 | 島式2面4線 | | | | | | | ● | ● | 明石市 | |||
M09 | 魚住駅 | 島式1面2線 | | | | | | | | | ● | ||||
M10 | 江井ヶ島駅 | 島式1面2線 | | | | | | | | | ● | ||||
M11 | 大久保駅 | 島式1面2線 | | | | | | | | | ● | JR神戸線 | |||
M12 | 和坂駅 | 島式2面4線 | | | | | ● | ● | ● | ||||
M13 | 明石駅 | 島式3面6線 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 西神線 JR神戸線 山陽電鉄本線 |
||
M14 | 大蔵海岸駅 | 島式1面2線 | | | | | | | | | | | ● | |||
M15 | 舞子駅 | 島式2面3線 | | | | | | | ● | ● | ● | 淡路島・四国方面 高速バス |
神戸市垂水区 | |
M16 | 垂水駅 | 島式2面4線 | | | | | ● | ● | ● | ● | |||
M17 | 須磨駅 | 相対式2面2線 | | | | | | | | | | | ● | 神戸市須磨区 | ||
M18 | 若宮駅 | 島式1面2線 | | | | | | | | | | | ● | |||
M19 | 新長田駅 | 島式2面4線 | | | | | | | ● | ● | ● | JR神戸線 神戸市営地下鉄線 |
神戸市長田区 | |
M20 | 和田岬駅 | 島式1面2線 | | | | | | | | | | | ● | 神戸市兵庫区 | ||
M21 | ハーバーランド駅 | 島式2面4線 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | JR神戸線 神戸市営地下鉄線 神戸高速鉄道東西線 |
神戸市中央区 | |
M22 | 元町・波止場前駅 | 島式1面2線 | | | | | | | | | ● | ● | |||
M23 | 湾電三宮 | 島式2面4線 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 神戸空港線 JR神戸線 阪急神戸本線 阪神本線 神戸市営地下鉄線 ポートライナー |
||
M24 | HAT神戸駅 | 島式1面2線 | | | | | | | | | ● | ● | |||
M25 | 南新在家駅 | 相対式2面2線 | | | | | | | | | | | ● | 神戸市灘区 | ||
M26 | 魚崎浜駅 | 島式2面4線 | | | | | | | ● | ● | ● | 神戸市東灘区 | ||
M27 | 潮芦屋駅 | 島式1面2線 | | | | | | | | | ● | ● | 芦屋市 | ||
M28 | 西宮浜駅 | 島式1面2線 | | | | | | | | | | | ● | 西宮市 | ||
M29 | 武庫川駅 | 島式2面4線 | | | | | | | ● | | | ● | 北摂線 | ||
M30 | 湾電尼崎 | 島式4面8線 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 湾岸線 阪神本線 阪神なんば線 |
尼崎市 | |
M31 | 佃(千船)駅 | 島式1面2線 | | | | | | | | | ● | ||||
M32 | 御幣島駅 | 島式1面2線 | | | | | | | | | ● | JR東西線 | 大阪府 | 大阪市西淀川区 | |
M33 | 大淀駅 | 島式1面2線 | | | | | | | | | ● | 大阪市北区 | |||
M34 | 大阪梅田駅 | 島式4面8線 | ● | ● | ● | ● | ● | JR各線 阪急各線 阪神本線 Osaka Metro各線 |
|||
直通運転区間 (みやこ急行線経由) |
琵琶湖鉄道琵琶米原線○普通以外…琵琶米原線米原駅まで 大津・草津・米原方面○普通…琵琶米原線 草津駅まで |
■西神線
概要
兵庫県明石市の明石駅から鉄道空白地域である神戸市西区を縦断し、田園地帯を抜けて兵庫県三木市の三木市駅に向かう路線。 元は神戸市が建設予定であったが、大人の事情で関西湾岸電鉄が建設することとなった。田井~三木市はかつてこの地を走っていた東播磨鉄道(架空)の廃線跡を整備して活用している。
西神中央~三宮は神戸市営地下鉄西神・山手線と競合する。湾電本線に直通し優等種別が存在する一方で、運賃・所要時間共に若干不利である。しかしその先の尼崎・梅田・天王寺方面へは乗り換えなしで行くことができ、利用者を着実に増やしている。
一方で、西神中央以北は朝夕を除き利用者が少ない。そのため、日中時間帯は2両編成(一部を除く)の普通・快速含め1時間に1本ずつである。2両編成の車両は、種別を問わず西神線内ではワンマン運転を行う。
線路諸元
西神線(明石~三木市) 線路諸元 | |
---|---|
駅数 | 13駅(起終点駅含む) |
軌間 | 1067mm(狭軌) |
電化方式 | 直流1500V架空電車線方式 |
線路数 | 全区間複線 |
保安装置 | 全区間KG-ATC |
運転指令所 | KGR総合指令センター |
最高速度 | 110km/h |
西神線停車駅案内
+ボタンを押すと、詳細をみることができます。
...
凡例
●:停車、▲:一部の列車が停車、|:通過
※通快は通勤快速の略
※明石~高塚工業団地は複線、高塚工業団地~三木市は単線
駅番号 | 駅名 | 駅構造 | β特急 | 快速 | 通快 | 普通 | 接続路線 | 所在地 | ||
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S01 | 明石駅 | 島式3面6線 | ● | ● | ● | ● | 湾電本線 JR神戸線 山陽電鉄本線 |
兵庫県 | 明石市 | |
S02 | 王子駅 | 相対式2面2線 | | | | | | | ● | ||||
S03 | 持子駅 | 島式2面4線 | | | ● | ● | ● | 神戸市 | 西区 | ||
S04 | 玉津駅 | 島式1面2線 | | | ● | | | ● | ||||
S05 | 春日台駅 | 島式2面4線 | | | | | ● | ● | ||||
S06 | 西神中央駅 | 島式2面4線 | ● | ● | ● | ● | 地下鉄西神・山手線 | |||
S07 | 高塚工業団地駅 | 複合型2面3線 | | | | | ● | |||||
S08 | 田井駅 | 島式1面2線 | | | ● | ● | |||||
S09 | 広谷駅 | 島式1面2線 | | | | | ● | |||||
S10 | 小林駅 | 相対式2面2線 | | | | | ● | 三木市 | ||||
S11 | さつき台駅 | 島式1面2線 | | | ● | ● | |||||
S12 | 市役所前駅 | 単式1面1線 | | | | | ● | 神戸電鉄粟生線 | ||||
S13 | 三木市駅 | 頭端式4面3線 | ● | ● | ● |
■神戸空港線
概要
兵庫県神戸市中央区の神戸空港駅から三宮・新神戸・六甲と北進し、その後御影・六甲アイランド方面へ進み、最終的に兵庫県神戸市東灘区の六甲アイランド東駅を結ぶ路線である。神戸市バス2系統・92系統の慢性的な混雑解消や、神戸臨海地域・神戸空港への利用客の輸送を目的として建設された。当初は臨海部区間が未開通であったため、六甲線と名乗っていた。
合理化のため、終日全列車は都市型ワンマン運行を採用。 区間によってバラつきはあるが、朝夕はかなり混雑しており、ポーアイキャンパス前~湾電御影において朝ラッシュ時(7~9時)は6分間隔で運転を行っている。
開業から長きにわたり、AGT路線を除いて他の路線と全く線路が繋がっていない「飛び地路線」であった。2018年3月に住吉浜付近に湾電本線への連絡線を建設。臨時列車も含めて営業運転では用いず、あくまで回送線として使用する。
線路諸元
神戸空港線(神戸空港~六甲アイランド東) 線路諸元 | |
---|---|
駅数 | 15駅(起終点駅含む) |
軌間 | 1067mm(狭軌) |
電化方式 | 直流1500V架空電車線方式 |
線路数 | 全区間複線 |
保安装置 | 全区間KG-ATC |
運転指令所 | KGR総合指令センター |
最高速度 | 100km/h |
運行形態
日中1時間あたりの運行形態(2020年3月現在)
種別\駅名 | 神戸空港 | … | 湾電三宮 | … | 御影 | … | マリンパーク | … | 六甲アイランド東 |
快速 | 2本(30分間隔)※ | ||||||||
普通 | 4本(15分間隔) |
神戸空港線停車駅案内
+ボタンを押すと、詳細をみることができます。
...
凡例
●:停車、▲:一部の列車が停車、|:通過
※快速は神戸空港~マリンパークで運行。
駅番号 | 駅名 | 駅構造 | 快速 | 普通 | 接続路線 | 所在地 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
KA01 | 神戸空港駅 | 複合型2面3線 | ● | ● | 兵庫県 | 神戸市 | 中央区 | ||
KA02 | 市民病院前駅 | 島式1面2線 | | | ● | |||||
KA03 | ポーアイキャンパス駅 | 複合型3面2線 | ● | ● | |||||
KA04 | 京橋駅(新港突堤前) | 島式1面2線 | | | ● | |||||
KA05 | 湾電三宮駅 | 複合型3面2線 | ● | ● | 湾電本線 JR神戸線 阪急神戸本線 阪神本線 神戸市営地下鉄線 |
||||
KA06 | 新神戸駅(布引) | 島式1面2線 | ● | ● | 山陽新幹線 神戸市営地下鉄線 |
||||
KA07 | 青谷駅 | 2層式 2面4線 | | | ● | |||||
KA08 | 五毛天神駅 | 2層式 2面2線 | | | ● | 灘区 | ||||
KA09 | 篠原駅(阪急六甲) | 2層式 2面4線 | ● | ● | 阪急神戸本線 |
||||
KA10 | 灘区役所前駅(六甲道) | 相対式2面2線 | ● | ● | JR神戸線 |
||||
KA11 | 湾電御影駅 | 相対式2面2線 | ● | ● | 阪神本線 |
東灘区 | |||
KA12 | 住吉浜駅 | 島式1面2線 | | | ● | |||||
KA13 | 向洋西町駅 | 島式1面2線 | | | ● | |||||
KA14 | マリンパーク駅 | 島式2面4線 | ● | ● | 六甲ライナー | ||||
KA15 | 六甲アイランド東駅 | 島式1面2線 | ● |
■湾岸線
概要
兵庫県尼崎市の尼崎駅から阪神高速5号湾岸線に沿って進み、天保山からは西進し、最終的に大阪府大阪市阿倍野区のの天王寺駅を結ぶ路線である。
沿線にはUSJや海遊館などといったレジャー施設が多い。さらに神戸方面から天王寺へ向かう唯一の路線といったことから、開業以来着実に利用客数を増やしている。
線路諸元
湾岸線(尼崎~天王寺) 線路諸元 | |
---|---|
駅数 | 9駅(起終点駅含む) |
軌間 | 1067mm(狭軌) |
電化方式 | 直流1500V架空電車線方式 |
線路数 | 全区間複線 |
保安装置 | 全区間KG-ATC |
運転指令所 | KGR総合指令センター |
最高速度 | 130km/h |
湾岸線停車駅案内
+ボタンを押すと、詳細をみることができます。
...
凡例
●:停車、▲:一部の列車が停車、|:通過
※通快は通勤快速の略
駅番号 | 駅名 | 駅構造 | 特急 | β特急 | 快速 | 通快 | 普通 | 接続路線 | 所在地 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
W01 | 尼崎駅 | 島式4面8線 | ● | ● | ● | ● | ● | 湾電本線 |
兵庫県 | 尼崎市 | ||
W02 | 中島駅 | 相対式2面2線 | | | | | | | | | ● | 大阪府 | 大阪市 | 西淀川区 | ||
W03 | 茜島駅 | 相対式2面2線 | | | | | | | ● | ● | 此花区 | ||||
W04 | ユニバーサルシティ駅 | 複合式3面5線 | ● | ● | ● | ● | ● | JRゆめ咲線 |
||||
W05 | 天保山駅 | 複合式2面5線 | ● | ● | ● | ● | ● | OsakaMetro中央線 |
港区 | |||
W06 | 千島公園駅 | 島式1面2線 | | | | | | | | | ● | 大正区 | ||||
W07 | 津守駅 | 島式1面2線 | | | | | | | | | ● | 南海汐見橋線 | 西成区 | |||
W08 | 萩ノ茶屋駅 | 島式1面2線 | | | | | ● | ● | ● | 南海高野線 | ||||
W09 | 天王寺駅 | 島式2面4線 | ● | ● | ● | ● | ● | JR各線 OsakaMetro各線 近鉄南大阪線 阪堺上町線 |
阿倍野区 |
運賃・ICカード
運賃
建設費の借金返済のため、運賃は競合他社と比較すると若干高いが、JR特定運賃を意識して設定している。
KGRグループに所属しているため、乗り入れ先のみやこ急行電鉄・琵琶湖電鉄に乗車するための加算運賃は設定されていない。
当社では、K-Cardを含む各種交通系ICカードを全線で利用可能である。
+を押すと、運賃表を見ることができます
...
ICカード
当社では、KGRが発行しているK-Cardを発売している。
駅の窓口・一部の自動券売機にて1枚2000円・1000円(デポジット500円含む)で発売しており、定期券ver・こども用も発売している。
2019年10月よりICカードポイントサービスを開始。区間に応じてポイントが付与され、貯めたポイントを使ってチャージすることが可能となった。
ポストペイ対応のK-Cardプラスは2021年4月発売予定。
+を押すと、ICカードを見ることができます
...
車両
概要
2020年4月1日時点の保有車両は781両。4ドアの通勤型車両と3ドアの近郊型車両が9割近くを占めている。譲渡車両などを除き、車両の殆どが
五松重工大阪支所(旧 KGR車両製作所)で製造されている。
通勤型車両
2000系
1989年に営業運転を開始した車両である。1000系と同時期にデビューし、関西湾岸電鉄初の通勤型車両として活躍した。
車体は当時としては最新鋭のGTO素子のVVVFインバータ制御やLED式の種別・行先表示器を採用した。仕様変更を繰り返しながら、2001年までの長期間にわたり、40編成近くが製造された。
一方で製造から30年近くが経過し、老朽化のため2018年までに全ての編成が5000系や5500系へと置き換えられた。一部は廃車・他の鉄道会社に譲渡されたものの、半数の20編成がKGR本部に移籍して塗装を改めKGR-01系へと改められた。移籍後は主に神戸空港線で活躍し、その姿を現在でも見ることができる。
4000系
2015年より営業運転を開始した車両である。八王子急行5000系の8両編成5本40両を譲り受けたもので、神戸空港線で運用されている。
譲渡後に制御装置をIGBT素子のVVVFインバータに換装している。さらに中間付随車2両をを新造6ドア車に組み替え、車内の簡易リニューアルを施している。一方で3編成に対しては、2016年に前面形状の変更や車内の大幅更新が施されている。
リニューアル工事が施されているとは言え、登場から50年近く経っている。そのため車両の更新が計画されており、未更新の2編成16両については2021年3月をもって営業運転を終え、廃車にする予定である。一方で、6ドア車については高年式車両のため、他の車両に編入する。
5000系
2016年より営業運転を開始した車両である。利用客や現場社員のアンケートを踏まえ、快適性はもとより、安全性・メンテナンスコストの削減に力を入れた車両である。 主に湾電本線・西神線・湾岸線で運用されている。
主な設計はJR東日本E233系をベースに、主電動機は6000系と同等の出力190kwのものを採用している。湾電初のフルカラーLEDによる種別・行先表示器や車内ドア上部にはLCDを用いた車内案内表示装置を設置している。
20年以上湾電本線などで活躍した2000系を置き換えるために導入されたが、諸般の事情により完全な置き換えには至らなかった。
5500系
2018年より営業運転を開始した車両である。5000系での問題点をブラッシュアップし、改善した車両である。主に湾電本線・西神線・湾岸線で運用されている。2021年より神戸空港線でも運用される予定である。
5000系からの変化として、ステンレスに代わりアルミ車体を導入し、側面の窓を天地方向に拡大した。
近郊型車両
1000系0番台
1989年より営業運転を開始した車両。2000系と同時期にデビューし、関西湾岸電鉄初の近郊型車両として活躍した。仕様変更を繰り返しながら2001年までの長期間にわたり、45編成が製造された。
車内は近鉄5200系に倣い、3度ア転換クロスシートを採用し、車端部はロングシートとした。初期車は当初、GTO素子のVVVFインバータ制御であったが、2010年までにIGBT素子に換装。
一方で老朽化が進行し、全編成が2018年までに引退。全ての編成がみやこ急行電鉄・琵琶湖鉄道やKGR以外の鉄道会社へと譲渡された。
1000系2000番台
2008年に営業運転を開始した車両。1000系0番台の更新工事のための予備車、β特急の増発用として製造された。2011年までに8両編成10本の計80両が製造された。6000系と共通運用が組まれ、β特急から支線の普通まで神戸空港線を除く鉄道線全線で姿を見ることができる。
前回の製造から7年経過したことから、行先・種別表示器はフルカラーLEDを採用した。床下機器については将来の140km/h運転を見据え、6M2Tと電動車比率を高めた。車内は1000系と同一であるが、クロスシート部に関しては全て転換することができる。
1000系7000番台
2008年より営業運転を開始した車両である。西神線の西神中央以北の日中時間帯ワンマン運行開始に伴い、登場した車両である。主に西神線内のみの運用だが、ラッシュ時には快速の増結編成として湾岸線の天王寺までやってくる。
車体構造は1000系0番台とは異なり、ストレート車体を採用しており、前面形状だけでなく側面窓や塗装の意匠も大きく異なる。車内にはワンマン運行に備え、整理券発行機が搭載されているが現在は使用されていない。
3000系0番台
2014年より営業運転を開始した車両。JR中部319系の8両編成6本と、4両編成7本の計76両を譲り受けたものである。6000系と共通運用が組まれ、β特急から支線の普通まで神戸空港線を除く鉄道線全線で姿を見ることができる。
譲渡時は全M構造であったが、機器更新と合わせて6M2Tと2M2Tへと改められた。
3000系5000番台
2014年より営業運転を開始した車両。JR中部319系の2両編成3本6両を譲り受けたものである。1000系7000番台と同じく主に西神線内のみの運用だが、ラッシュ時には快速の増結編成として湾岸線の天王寺までやってくる。
譲渡時に編成構造が大きく変化した0番台に対して、この番台は全M構造のまま運用に就いている。
6000系
2015年より営業運転を開始した車両である。本線のβ特急から支線の普通までオールマイティーな湾電の主力車両である。8両編成と4両編成があり、β特急運用では増結指定席車両を連結し、快速などでの運用では4両編成同士を連ねた8両編成や単独で運用に就く。
先代の1000系と同じく、3ドアで転換クロスシートを装備している。快適性向上のために騒音軽減を図り、大手電機メーカーと共同開発した空気清浄機を搭載している。車体構造の強化のため、側面の窓割りはJR西日本225系と似たデザインとなっている。
1000系の置き換えを行うべく大量投入され、全てを置き換えた。6250系と共に湾電の受け持つβ特急の運用はこの形式が担っている。
6250系
2016年より営業運転を開始した車両である。6000系に指定席車を組み込んだ10両固定編成の車両である。
車内設備に関しては6000系と同等である。一方で前面形状がやや丸みを帯び、側面の塗装デザインも大きく変更している。床下機器についてもスペックには大きく変化はないが、6000系とは異なる主電動機、同じIGBT素子ながらメーカーの異なる制御装置を搭載している。
10両固定編成という特性上、原則はβ特急のみの運用である。早朝・深夜帯には快速などの運用に就くが、その際は指定席車両は閉鎖した上で実質8両編成で運用に就く。
特急型車両
1500系
1992年より営業運転を開始した車両である。快速特急(現在のβ特急)の運行開始に伴い、新設される指定席車両の運用を担うために製造された。現在はβ特急の増結指定席車としての運用や、特急ハーバーライナーやみやびの代走に就くことがある。
初期車の車内は980mmの回転型の簡易リクライニングシートを導入していたが、2次車では一般のリクライニングシートが搭載された(後に初期車も改造)。車端部にはトイレは勿論、サービスコーナー(売店)が設けられている。かつては終日営業されていたが、現在は朝夕時間帯のみの営業である。
6500系の導入により、初期車の全てが琵琶湖電鉄に譲渡され、湾電に残るのは2次車の5編成10両のみである。近年ではリニューアル工事が施工され、6500系並の車内設備を有している。
10000系
2014年より営業運転を開始した車両である。1500系よりも快適性に重きを置いた車両である。現在は特急ハーバーライナーやみやびの運用のみに就く。6両編成と3両編成が存在するが、連結した9両での運用は多客期のみとなっている。
車体構造は近郊型車両をベースとした1500系とは異なり、新たに設計したものを採用している。車内はシートピッチこそ980mmであるものの、フットレストやコンセントを全席に完備している。
みやこ急行電鉄のM10000系と共通運用が組まれている。
- 最終更新:2023-01-17 20:05:49